【主婦】苦手な家事を巡る攻防【解説おまけ付き】
結婚してはや数年。
生きるために食事を作り、最低限の清潔な生活のために掃除をしてきた。
何もできなかったあの頃の私と比べ、家庭内での働きはある程度できるようになった。
しかし、いつまでも苦手なことがある。
それは、掃除機がけだ。
苦手なんて言葉は生温い。掃除機がけが、嫌いなのだ!
◆
午前中。買い物も終わり、ホッと一息コーヒータイムを前にして、やるべきことは只一つ。掃除機がけ。
……だが、どうも、足が止まる。体が掃除機のある方へ向かない。
掃除機さえかければ、もう私の時間。アイスコーヒーを飲みながら小説を読める。お菓子もつまめる。スッキリとした気持ちで。
頭ではわかってる、でも体が動かない!
「楽しいことは後のお楽しみ♪」の信条は何処へやら?
私は冷蔵庫を開けて買ったばかりのアイスコーヒーとお菓子を取り出し、台所で立ったまま味わい始めた。
あーこのお菓子おいしい、当たりだー。
そう思いながら、意識の半分以上は掃除機がけに侵されている。
とにかく自分のヨシヤルゾの気持ちを待つしかない。そう思い、アイスコーヒーとお菓子を味わった。
◆
うーん、ヨシヤルゾはまだ来ない。
今度は別の家事が気になってちょこまか済ませた。
「嫌いじゃない家事は後回し☆」の信条は何処へやら?
そしてとうとう私は、居心地のいい椅子に座ってスマホを手にしてしまった。
◆
私は最後の手段に出た。
断捨離している人を見ると断捨離したくなる気持ちを応用し、
掃除機がけのプロまたは掃除機ラブな人を見てみようと思ったのだ!
手にしたスマホでYouTubeを開き、「掃除機のかけ方 楽」と検索する。
「楽」というところに私の想いが詰まっている。
単に「掃除機のかけ方」と検索すると
まるで私が掃除機に対して熱心な人みたいだし、熱心な人の熱心な解説が聞きたい気分じゃない。
ある動画をクリックして再生速度を1.25倍にした。
早速始まった「悪い掃除機のかけ方」が私の姿ソックリで思わず吹き出した(おい!やる気ないだけじゃなく、しっかりヘタクソだったんかい!)。
掃除機の師匠は物腰やわらかで温かみのある声で、その知識は私の胸にそっと入り込んできた。
ヨシヤルゾ。
師匠に背中を押され、私は掃除機をかけ始めた。
お手本を見た直後だからか、いつもより丁寧にできた。心とが体の動きが丁寧で、私が私じゃないみたいだった。時々荒っぽさが隠しきれず出てきてしまったけど。
師匠、ありがとう!
◆
ここまで読んでくださったあなたに、おまけとして掃除機のかけ方を贈ります。
1、いい姿勢で軽く掃除機を持ちましょう
背中が曲がっていませんか?
2、掃除機をかける方へ排気口が向かないようにしましょう
ほこりがそっちにいっちゃいますよ
3、壁際にドンドンと掃除機を当てないようにしましょう
壁の直前でストップ。後から壁と平行にスーッと。
4、速いと吸えるゴミも吸えません。ゆーーーっくり動かしましょう
掃除機がけライフに幸あれ!