人との繋がりは切れないんだなぁ
私はごく一般的な人生を送ってきた。
その中でほんの少し特殊なことがあって、生い立ちから今まで、交友関係の紐はブツブツと途切れてきてしまった。
自然と切れたものもあれば、自分で積極的に切ってきたものもある。
今手元にある紐なんてほんの数本。片手で足りる、たった数本。…だと、思ってきた。
しかし、実は違うかもしれない。
つまり、私が思うよりもずっと多く、交友関係の紐は私の手元に豊かに残されているのかもしれない。
◇
そう思ったのは、数年ぶりに、ある知人家族からアクションがあったからだ。
『あ、覚えていてくれたんだ……』と、率直に驚き、嬉しかった。
音沙汰がないからって忘れたわけではないのかな。だって、私も忘れていないもんね。
連絡をとらないのは興味を失ったからという理由ばかりではないかな。私だってふと懐かしく思い出す瞬間がある。恥ずかしくて声はかけないけれど。
◇
オトナとして年齢を重ねてきて、わかってきたことがある。
人生というのは忙しい時期と落ち着く時期があって、きっと今、私の周囲にいた人たちは忙しい時期なのだろう。
仕事だって中堅で、結婚したり、その後は出産、子育てしたり。一度始まれば落ち着く時期なんて、いつになることか。
◇
断捨離やミニマリストに凝っていたころは、人間関係も明らかに 物 の1つという認識だった。
切って切って切りまくれ!よりひどい表現をするなら、捨てまくれ!遠慮なく。
それでいいし、そうすべきだと思っていた。
でも、実際、切れないのだ。人と人との繋がりは、そう簡単に。
今はこれを良い意味で捉えている。
◇
繋がりが煩わしく、不要だと思うときがある。
余裕がなくタイミングが合わず、繋がりたくても繋がれなくてモヤモヤするときもある。
でもきっといつか、もう一度会えたなら、必ず笑顔で関われるだろう。
みんないつか、笑い合った仲。
ほんの少し関わらなかった数年があっただけで、不仲となり話すことなど何もない、そんな関係になるはずがない。
……こんなふうに思えるようになるなんてなぁ。
自分の硬かった気持ちの変化に驚くこともあって、やっぱり人生は捨てたもんじゃないな。
いつか誰かが言ってた。
出産したって独身だって離婚したって、50歳にもなればまた楽しく話せるんだから。
なんだか肩の力が抜けるような、遠い未来がどことなく楽しみになるような、イイ言葉だ。
☆お詫び
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