夫にうるさいって言われた
今朝、可笑しいことがあった。
あることで私が小言を夫にぶつけてしまった。
夫はしばらくああだこうだと具体的に反論してきた。
しかし私は夫が間違っていると確信していたため負けじと言い返していた。
すると、ふと夫が目線をそらして、
「…うるさい。」
とつぶやいたのだ。
私は最初、なんのことか分からなかった。
「え、なんのこと?」
私は真顔で聞いた。しかし、答えは返ってこなかった。
だんだん分かってきた。
あぁ、私に対して、うるさいと言ったのか!
うるさいと言われた衝撃と、目線を逸らした夫の姿と、そのやけに小さな声と。
私はその後席を外し、なおも小言を続けた。
あなたが間違っている、情けないよと。
もう夫からその件での発言は一切続かなかった。
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夫を普通に送り出してから、じわじわ笑いがこみ上げてきている。
理由は分かる。
さっきの夫の姿、あれはまるで反抗期にさしかかった息子のイメージそのものなのだ!
そして私の反応もまた、これまで素直に言うことを聞いていた息子の初めての反抗に面食らう母のイメージそのものではないか!
ふだん、あーだこーだ言いたいことを言いまくる夫が、こっちも見ないで小さな声で「…うるさい。」、おもしろいったらありゃしない。
なんだかさっきの私たち、演劇してるみたいだったな。
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夫婦って不思議な関係だと思う。
男女関係はもちろん、時に兄妹のような、親子のような、友人のような、同士のような。
もし子どもを授かれなくてもいいやと思うのは、夫がまるで聞き分けのいい素直な子どもであったり、聞き分けの悪い悪童であったりするのも、ほんの少し、関係しているのかなと思う。