時にはあえて書きながら、立ち止まりながら
ふと思い立ったときに自身の心境を書き連ねるノートがある。
新婚の頃に用意した、線のないシンプルなノート。
開くたび「あ、前回からまた間が開いたな」と驚く。
ツイッターなどのSNSはしていないが、このブログもあるし、毎日色々あるし、ノートを開いて書く機会は新婚の頃と比べて随分減った。
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え、もう今月終わり?と、時の流れを以前よりずっと速く感じるようになったのは、おそらくここ1~2年のこと。
毎日順調に過ごしていること、特段生活に変化がないことが大きな理由だと思う。
子どもができるなどの変化が起これば、この感覚も変わるのかな…?それともより速く感じるようになるのかな…?とたまに考える。
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どんなにジタバタしたって一度大人になってしまえば、大人として年齢を重ねていく以外に道はない。
老いもストレス耐性のなさも、じわじわ感じる年齢になってきた。
数年前まで夫との共通の趣味で嗜んでいた映画も、観たいと思わなくなってしまった。
録画したって、そのまま。夫も観たいと言い出さないから、きっとそのうち消去するんだと思う。
というのも、2時間じっと作品に集中する力がない。というより、2時間拘束される、という事実に観る前から腰が引けてしまうのだ。
若手俳優の演技力に頭の中でツッコミを入れてしまうのもイヤな所。設定や表情を妙に醒めた視点で見る自分にも嫌気が差す。大人(の自分)って本当に醒めている。
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こうやって、徐々に、半分自覚的に半分無自覚に、できないことや苦手なことが増えていくんだろうなと思う。
新婚の頃はよく「若いうちに色々なところに出かけてね」と声をかけてもらった。
体力があるうちに、という意味だろうなと思っていたが、体力だけじゃないなと今更気付く。
体力、気力、時間、環境。当時はコロナもなかったし。
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話を戻すと、心境ノートは私の心の避暑地かもしれない。
頭ではこの世のアレコレに悪態をつきまくっている自分。それだけで疲れは溜まっていく。
そんなとき、ノートを開けば、そこには何もない真っ白のページが広がる。
線もない。ルールもない。
そうして問いかけられるのだ。
─今、何を考えている?
─今、何を感じている? って。
つっとペンを走り出せば、言葉は自然と紡がれていく。
ああ、こんなことを私は感じていたんだって、私自身が驚かされることもある。
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無自覚に感じている焦燥、不安、ストレス。
なんとなく済んでいく日常に流すのもいいが、ときには無視しないで書いてみてもいい。
立ち止まっても、いい。