幸せの形-私編-
私の幸せはここにある。
今、この生活のなかに。
私の幸せは、お金の多さや職業や名声で量れない。
私の夢は、今このような生活を送ることだった。
そんな夢ではだめなのではないかと、ずっと自信を持てなかったけれど、今確信する。今の生活こそ私の夢だ。
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職業がすべてだと長年思わされてきた。
「大人になったら何になりたい?」この問いが消えないから、大人とは何をしているか、つまり何の職に就いているかがすべてなのかと。
よくテレビで言う。「ずっとやりたいことが分からなくて。でもこれに出会って、私の人生はこれだ、と思いました。」
私はまだ出会っていない。
幼少の頃からの夢は、現実となる前に自分でやめた。理想と現実のギャップがあまりに大きいから。
それからいわゆる職業上の夢は消えた。
そんな自分自身にいつも焦りがあった。
このままでいいのか。
このままでは大人として認めてもらえない。
でも一方で、結婚して、パートとして働く毎日に、満足感と充足感を覚えている私がここにいる。
誰に認めてもらう必要があるというのか。
誰か、なんて実はいない。
私の考え方を、変えたらいいだけなのかも。
方向転換しよう。
私は私の生活を楽しんでいる。
私は私の人生を味わっている。
それがすべてだって。
ふいにその生活が消え失せる時が来るかもしれない。
そのときはそのとき考えよう。
今、私が「嬉しいなぁ、幸せだなぁ」と思う日々を送れていること。そのことに感謝して、これからも毎日をなるたけ丁寧に過ごしていけたらいい。
資格が生かせていないこと、学歴が生かせていないことを気にしている部分を否定はできない。でもそれってたどっていくと、プライドなんだろうな。へんなプライドは足元に置いちゃえばいい。
私は私にとっての幸せの形を手にしているのだから、あとは大切にしていくだけ。それだけ。