【パート】汗だく怒涛の時間!!【長文】
しばしクラゲで癒やされる↑
☆
さて、月曜日の夜、私は戦いに備えていた。
月曜日の仕事終わりに、本部の人からの要望で突然発生した「火曜日の私の仕事」。
何もせず明日を迎えるわけにはいかない!!
…私は下準備をしないで当日を迎えることに不安を覚える。
時間ばかり気にしてうまく動けなくなってしまうから。
というわけで月曜日の決戦前夜、戦いに備えることにしたのだ。
鉛筆を持って白い紙に書き出していく。
まずは
□今どういう状況なのか?
□どういう形が理想なのか?
理想(本部の要望)と現実の差を見る。
その上で
□何をどう動かしたらよいのか?
□どこから手を付けたらいいのか?
考えてみる。
大切なことは
□優先順位
□最低限、終わらせないといけないものは何か?
翌日は休日。
ごちゃごちゃで終わった、成果が何もない、ということは避けたい。
紙に書くたび、脳内が紐解かれていく感覚だ。
これは作業準備であると共に、気持ちの準備でもある。
「私にはできない」という思いがいつもある。
でもそんな思いを打破して「できる!できる!」と自分を鼓舞していかねばならないのだ。
これは孤独な戦い。
なぜなら私は周囲の人に助けを求めないから。
人を巻き込むのにためらいもあるし、相談する時間もない。
とにかく明日は1人で戦う。そんな気持ちで準備した。
☆
迎えた火曜日。
職場に到着したときから私の戦いは始まっていた。
しかし私は比較的冷静だった。
ポケットには昨夜考え、今朝まで手直ししていた手順メモ。
思考停止でいいから、そのメモの通り、手を動かしていく。
…ただここで全力疾走、というのができないのが私。
「この作業が間違っていたらどうしよう?もしも無駄だったら?」
昨夜終わったと思った作業をイチから作り直している現状。だからこそ、そんな思いが頭をかすめるのだ。
私は本部に連絡をした。今日こうしようと考えていると。
すぐ返信があり、意見されたが、無理なことに関しては無理と伝えた。
最終的に「やってみて」との一言を受け、私は再度走り出した。
作業を始めて1時間半、成果は見えていた。
最優先事項の7、8割が完成!
別の業務に移る必要があるため、一旦場を離れてクールダウンする。
クールダウンの間も次の作業手順の確認と、その他やって帰らねばならないことのリストを作成するなどして順調に過ごしていた。
そして、クールダウン終了真近、事は起こった…。
本部の敵とも言える人物・本部Bが登場したのだ!!
…なんて日だ!
驚くべき、いや恐るべきタイミング!
本部Bのタイミングの良さ(としておこう)には毎度恐れ入る。
「もうダメだ」と思うとき、もっとも疲れているとき、困り果てているとき、彼は現れる。
長年の経験で、今日は助けに行かにゃ、と勘が働くのだろうか?
クールダウン中で下を向いていて、ふと顔を上げた私、するとそこには「なんやねんその顔w」と本部Bが私に笑いかけていた……。
「来てくれたんですね!!」といつもの私なら嬉々として言うだろう。
だがそのときは違った。顔がひきつった。
……
私の歪んだ見方に違いないのだが、今日の決戦はある種、本部と本部Bの間に私が【板挟み】された結果生まれたものだ。
私が悪いとも言える。
八方美人的性格と勇気のなさが災いし、本部にも本部Bにも本音を言えなかった。
どちらにもいい顔をした結果、
【本部Bの成果・意向=現状】を【本部の意向】へシフトチェンジするという【火曜日の決戦】に繋がってしまったのだ。
よく見ると、本部Bの顔もひきつっていた。
荒れた現場を見て「一体何をしてますのん?」と心底何をしたいのか分からないという顔で聞いてくる。
うまく言葉にならず呻いていたら無言でどこかへ行ってしまった。そのときの私の心情はもう言葉にできない……。
私の決戦計画はガラガラと崩れる音がした。
気持ちもしぼんでいくし、なんだかもう「どうにでもなれ」だった。
しかし当然ここでは止まれない。
私は本部Bのもとへダッシュし、状況を説明した。正直に言った。本部からダメ出しされたって。
本部Bは本部の人間に会うから、私がダメ出しされたって言っていたこともバレるだろうが、もうこの際どうだっていい。
本部Bの最大の魅力は、めちゃめちゃ手を動かしてくれること。
私は非力な自分の大きな助けとして、本部Bに頼ることにした。
本部Bは動いてくれた。汗をかきかき、文句のひとつやふたつ言いながら手を動かしてくれた。
だから私も負けじと動いて手を動かした。
もうメモを見る暇も、計画を振り返る余裕もなかった。
とにかく、終わらせて帰る。
本部Bのいてくれるうちに、そして私の帰宅時間までに、なんとか形にしておさめて帰る。それだけ。
本部Bの範囲はさすがに完璧だった。
一方で私の範囲は焦りもありとりあえず形にしたという感じで、手直しが大いに必要だった。
だがもう退勤時間。
本部Bの小道具と私の小道具の片付けは思った以上に大変で、何往復もし、汗がダラダラと止まらなかった。
もう改めて現場を振り返る余裕もなかった。
たぶん形になったのだろうな、という感じだ。
本部Bの表情にも疲労が色濃く出ていた。
私のせいでこれまでの成果を崩すことになった申し訳なさと、ともに全力疾走してくれたことへの感謝を胸に、お礼を伝えて私はその場を去った。
帰り道、それはもう疲れていた。
足が棒のようで、歩くたびに疲労を覚えた。
振り返りながら思う。
一人だったら、完成しなかったなと。
今日の出来は120%だ。
想定外のことが起き動揺も大きかったが、成果も大きかった。
本部Bも、本部Bに会う本部も、傷付かないといいが……。
火曜日の夜、少し風変わりな決戦を終えて、私は癒やしを求めていた。
ネットで「ちいかわ」をひたすらスクロールして泣いた。本当に泣いた。
お風呂にいつもの3倍つかり、いつもの3倍の濃度で眠った。
こんな毎日を送っている人たちに心からエールを送りたい。
正直やり残した仕事があってズーン…となるが、もう考えても何も動かないので、次の出勤時に行おう。
決戦翌日、空が青い。光がまぶしい。
また次の仕事に向かって、ほどよく備えることにしよう。
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