悪夢が問いかけてくるもの
数日前、悪夢を見た。
眠りが浅いと少し嫌な夢を見たりするが、今回はまさに「悪夢」だった。
今の生活にとっての 最悪 が鮮明に描かれていて、起きてから数日、心が落ち着かなかった。
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単なる嫌な夢なら、現実を生きていれば勝手に忘れていく。
でも今回は現実の生活にリンクしたものだったから、というより、現実の心配が夢に現れてきたから、夢が現実の捉え方を考え直させるきっかけとなった。
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今までできていたことは、問題なくこれからもできるはず。
今日まで元気だったから、これからも元気だろう。
今日まで楽しかったから、明日からも楽しい日々が続くだろう。
自分の生活を振り返ってみると、そんなふうに呑気に気楽に過ごしてきたのかなと思う。
こういう気持ちから、慣れや惰性や文句や不満が浮かび上がってくる。
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呑気にいられることも幸せのひとつの現れだけど、昨日できたことが今日もできる世の中ではない、と痛感させられる。
不幸のどん底。死だって、隣にあると思う。
大げさじゃなく、隣にあると思う。
だから、過去でも未来でもなく、今を大切にしないといけない。いや、大切にしたい。
たとえば家族。
一緒にいる時間が長くなればなるほど、絆は強まって、思い出も増えていって、別れはどんどん辛くなる。
けど、別れが来ない出会いなんてない。
別れが来るって分かっているから、今日、今このときの関係を大切にしたいしするべきなんだ。
顔を見て、行ってらっしゃい気をつけてねって言うのも、大げさじゃなく、それが最後かもしれないから。
後悔しないように生きていくということは、大げさなことなんかじゃない。今、必要なこと。
終わりが来たらどうするの?と、彼はこちらを見つめて問いかけている。