〖野球〗カッコいい生き方
この季節、高校野球を観ることがある。
幼い頃から高校野球を観て育ってきたことや、夫が野球経験者であることもあり、高校野球は身近な存在だ。
若さゆえのガッツ、熱い声援、試合のどんでん返し……、魅力は数えきれないほどある。
その中で私の胸にいつも響くのは、監督の言葉だ。
勝った試合の後、監督は言う。
ー私ではなく、子どもたちが本当によくやってくれた。
負けた試合の後、監督は言う。
ー子どもたちは悪くない。すべて私の責任です。
強豪校であればあるほど勝つことを当然期待される。生徒たちにとってはそれがどれほどのプレッシャーになるだろう?
負けてしまえば、ピッチャーの調子が悪かったとか、あの時のエラーが響いたとか、試合の中での敗因はいくらでも挙げられるだろう。
監督の言葉からは「自分が生徒を守るんだ」という盾のような強さを感じる。愛を感じる。
生徒を誇りに思い、手柄は生徒のものとし、責任は自分が負う。
その生き方は本当にカッコいいと思う。
子を想う親の生き方……なんだろうか。
以前、監督から引退する3年生への“最後の言葉”を集めた記事があったが、涙なしには読むことができなかった。
年代や考え方はそれぞれ違っても、野球を通して人としての誇りと感謝といった生き方を生徒たちに伝えていきたいという思いは同じなのではないかと感じた。
ーたしかに試合に負けて悔しかっただろう。しかしこれまで君たちが野球をできたのは幸せなことだった。それは当然のことではなく、サポートしてくれる多くの人達の存在があったからなんだ。それを忘れるな。大人になったら君たちも誰かをサポートする人になってほしい。
監督の言葉は、人間として大切なことをいつも私に教えてくれる。
今年の夏の大会も楽しみだ。